想像と空想と兄妹
僕の目の前には真っ赤に転がる両親の死体。
包丁を握り締めながら泣きじゃくる妹の姿があった。昨日の夜母親に明日そっちに帰るメールを送って、仕事が終わったからその足で実際に実家にたち寄ったら、家の中ではこの有様である。僕は警察を呼ぶ前に妹に何があったか聞いたが、妹は「ごめんなさい」しか言わなかった。僕は仕方がないと思い警察に電話をした、警察が来て僕達は警察署に向かった。
僕は会社が終わったので実家に寄ったらこうなっていたとだけ言った。
だが、警察の人は妹が言ってる事と僕が言っていることが違うというのだ。僕は昨日母親に送ったメールを見せたがそれだけではちょっとしか言ってくれなかった。
部屋のドアが勢いよく開いた、包丁から僕の指紋がベッタリと付いてたと警察の人が言って来たのだ、それはしょうがないだろ僕の実家なのだと警察の人に言ったが。
「あなたはあの家と関係ない人だと」言い始めたのだ。
僕は、ふざけるなと激動したが、警察は僕の話を聞いてくれなかった。
「だって、あなたが殺したんですよ。あの一家を」としか言ってくれない、僕は何度も違うといい、妹に合わせて欲しいとだけ言ったが、それは無理だ妹さんがあなたに会いたくないと言っているよと言われた。
今日は久々に早く仕事が終わったので、実家に帰るのだ。
久々の母親のご飯を食べれるのが私にとって今日一のご褒美だと思って仕事を終わらせた。
まただ、私の後を追ってきている会社の先輩。自称私の兄を名乗っている。
私が入社した時に初めて仕事を教えてくれたのはその人である。私は急いでこの場所から逃げ出すため走った。私は学生のころ部活部だったのでわりと体力はある方なのである。少し遠回りをして実家に向かう。そして私は実家に着き家のチャイムをならすが、母親がすぐに玄関のドアを開くはずが中々開かない。ドアノブを軽く捻るとともドアが開く。ツーンと鼻に鉄と匂いがする。
「お母さん、お父さん」私はパンプスを脱ぎ、居間に向かい居間のドアを開く。
「おかえり」
そこに居たのはは包丁を握ったままの先輩が立っていた。
「え、先輩」
「僕のこと理解してくれなかったから殺しちゃった。」
私はゆっくりと床に視線を向けた、そこには私を大切に育てくれた両親がの死体が転がっていた。私は床に腰を突いて涙がボロボロと出てくる。私はどうしてと先輩に言いたいが声が出ない。先輩は笑顔で私のほうを見て包丁を持たせる。そして私に言ったのだ。
「どうした僕の妹」と。